モケショップの気ままな雑記

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【乙女ゲ感想】ピオフィオーレの晩鐘-Episodio1926- 感想【ネタバレ有】

どうもこんにちは。

前回の記事に引き続き、ピオフィオーレの晩鐘の続編の1926をクリアしました。

前作の記事はこちら↓

mokeshop.hatenablog.com

無印よりボリュームあるのでは…?ぐらいの長さで、プレイ時間も長すぎず程よい感じで良かった。魅力的なキャラクター達も健在。新キャラもとても個性豊かに描かれていた。グラフィックの美しさも健在で、絵を見ているだけでも楽しい。しかしCG枚数が続編なのでしゃーないのかもしれないが、尺の割に1人あたり12~13枚程度と少なく感じた。実際「ここCGあってもいいんじゃ・・・」みたいなシーンが山ほどあった。戦闘シーンも、前作と同じく武器を構える立ち絵は用意されているものの、多い割に二コラぐらいしかちゃんと戦闘シーンのCGが用意されている者が無く、エフェクトでドンドン!キンキン!みたいな感じで演出の弱さを感じた。ドンパチが多い作品だからシナリオが面白かった分、そういう演出が目立ってたというのはある。

マルチサイトシステムことMSシステムは引き続きあり。それと加えてARIAシステムという「無印のあのシーンで各キャラは何を考えていたか」というショートストーリーが挿入されており、それもまた物語に深みを持たせてくれてよかった。

無印はどうしても主人公兼ヒロインのリリアーナちゃんを各組織で奪い合うみたいな構図になっていて、話の内容が多少の誤差あれどだいたい似たようなもんで、そこまで名作!とは感じなかったが、1926のアフターストーリーはその苦難を乗り越えた後の話なので、どのキャラも比較的起伏に富んだシナリオで無印よりも楽しくプレイで来たんじゃないかと思う。見たCGにYボタンを押すと各キャラがコメントしてくれるシステムがあり、このシーンではこう思ったのか…ってのが分かるのがいい。

 

 

ここから内容のネタバレに入ります!!!嫌な人はブラウザバックお願いいたします!!!

 

↓↓↓↓↓↓

 

 

 

 

そりではつらつら感想を綴っていきたい。

このゲームはおおまかにいくつかの話に分かれており、

①各キャラクターの無印BESTエンドの後日談を描く話

②大団円エンド(誰ともくっつかないエンド)の後日談を描く話

③上記2つをクリアすると解放される、大団円エンドから分岐する前作の隠れ(?)攻略キャラのアンリエンドの後日談を描く話

 

の3つに分かれている。先に述べておくと自分はアンリTRUEが一番好きです。理由は後述。

 

1.BURLONE(BESTエンドアフター)

特に攻略順とか無いので、気の向くままにプレイした。

オルロックダンテ二コラギルバート の順。

順番に感想をはなしていくぅ!

 

①オルロック

前作でブルローネのマフィアをギルバートだけを残しぶっ殺しまくりひっかきまわしていろいろあったけど教国で幸せに過ごしてたオルロックが、ブルローネにいる後輩の尻ぬぐいをさせられるために渋々ブルローネに戻るが、新たなトラブルが・・・みたいな話。無印の記事でも話したと思うが、使徒として上から言われたことをただ淡々とこなしていて、終盤でやや自我が芽生えたかな~程度だったオルロックが、過去に人を殺しまくった地に戻って、ファルツォーネの新しいカポ・ギルランダイオと出会い、無印ではファルツォーネと鍵の乙女がセットで必要なのにロズベルグ卿の言われるがままにした結果、ファルツォーネに協力する役目であるのに、喧嘩を売る形になってしまったことを踏まえて、「リリィをファルツォーネ(元ある形)に返したほうがいいのか」とか「人を殺すことの重み」とかヨハンの兄とか過去の罪と悩んで悩んで向き合って、「できるだけ人は殺したくないけど、リリィのために過去の罪も受け入れるし謝罪はするけど、死ぬわけにはいかないので戦わせてもらう」と答えを出して終わったのが非常にスッキリした終わり方だった。

BADはオルロック自身が過去の過ちへの答えを出せずに訳も分からずテオに刺されて共倒れENDって感じ。無印のBADがなかなか強烈だったので、そこまでといった感じ。

個人的にこのルートはギルバートさんの懐の深さが見えるとことか(顔に泥を塗る真似をしたのに、事情を聴いてヴィスコンティで匿ったりとか)ディレットーレとエミリオが仲良さげ(?)なシーンとかも新鮮で良かった。

 

②ダンテ・ファルツォーネ

ダンテさんデレデレでいいですね。リリィちゃんふわふわでかわいいもんね。

ダンテとリリアーナちゃんのカップリング自体は好きなのだが、ダンテ自身が奥手気味というか、そういうムードになったらやることはやるけど、ファルツォーネのカポなので忙しさを出すシーンが多くシナリオ的には無印よりは面白かったけど外出するシーンが少なかったから?か似たようなシーンが続き他の√よりやや地味に感じた。

政府のマフィア弾圧の圧力で肩身が狭くなるブルローネマフィアたちが今後について考えていく・・・そしてリリィの義兄のテオがリリィを襲う。

ダンテ√はオルロックの後にプレイしたためか、オルロックは明確に答えを出してたけど、シカゴ進出をしたギルバートに何度か政府の弾圧が強すぎて、ブルローネはもう厳しいと言われていたのに、「ブルローネで生きていく」という答えを出してたがそれって思考停止してない?と思ってしまった。ギルバートはシカゴに行き、老鼠もいなくなって商売はしやすくなっただろうが、政府の弾圧が緩くなったわけでもないし、読んでて明確な「どうするか」が描写されてなかったので先延ばしにしてる感が否めなかった。二コラルートでは移住していたし。メタ的に言うとシナリオ面で違いを出したかったのかもしれないけど。テオの話は作中でアンリにド正論ぶつけられてたね。テオは育ての親にリリィと自分を重ねられて最終的に両親が殺されてしまったからといって、リリィを恨むのは筋違いかなと。悪役としては悪役になりうる描写が少し弱いかな?と感じた。

何気にダンテ√はアンリとダンテの絡みがそこそこあって、「この男はシルヴィオと違う」と理解してファルツォーネ憎いけどダンテは嫌いではないという感じで、最終的にかばって死んだのはすごくグッと来た。アンリの過去が明かされる無印の大団円エンドはアンリ本人とは絡みがほとんどなかったし。

BADはメチャクチャ好き。無印より心に刺さったBADが今回は多かったな。

愛しいリリィが争いの中で命を落とし、宗教上命を自ら断つことができない。そこに現れるファルツォーネを憎むアンリ。アンリに殺してくれと乞い撃たれて死ぬ・・・・ある意味幸せな終わり方かなと思った。

 

③楊

個別アフターではこの話が一番好きかもしれない。

ファルツォーネ、ヴィスコンティ、オルロックを殺してブルローネという街を老鼠が支配する街にした前作。そんな中、老鼠の大元組織・六鳳会の楊の嫌う人間こと袁の部下・睿が楊に接触し新たなトラブルになる・・・という話。

無印だとリリィは他のキャラクターよりは恋人よりかはセフレ止まり、みたいな印象で、楊もほかの女よりは興味持ってるけど、その時限りの遊びでリリィと恋人みたいなことをしている感が強かった。本編中でも中盤まで楊が甘い言葉をリリィに言っても、「大丈夫、嘘なの分かってるから」みたいな感じで真剣に捉えない鋼鉄メンタルの女・リリィは読んでいて面白い。楊の本心が分からない、と悩んだりしてそっから本来の恋人のような距離感になるような描写が多かったのは良かった。前作よりリリィに入れ込んでいるというか楊の人間味あふれる感情が良く出ていた。喧嘩したあと謝りに行くシーンのCGめっちゃ好き。

新キャラの袁と睿がまたいいキャラをしてて、袁はすぐ殺そうとするやべーやつだし、CVツダケンで良き。睿も最初はリリィにつんけんしていたし「暴力が嫌い?人を殺すのは良くない?あーはいはい。御宅の生活は全部、人が傷つくことで成り立ってるんですけど。」と嫌味を言ってたシーンは個人的に無印でのリリィの行動に疑問を持っていたプレイヤー的にはよく突っ込んでくれた!感あった。これに対してリリィが苦悩しながら、「ほかの人を不幸にしてしまったとしても、自分は楊に死なれるのが怖い」とリリィなりに答えを出してたのが良かったなと。睿と喧嘩してその後和解した後も、フェイ&ラン、睿、楊の老鼠メンバーの掛け合いが雰囲気が良くて楽しくプレイできた。楊がこのルートは大きく変化していたね。

前述のリリィの楊に死なれるのが~という発言に対して、「俺が死ぬ時は、死ぬ前にお前を殺してやる」というセリフあって、字面だけ見たらヤバい発言だけど、本編のリリィと楊の距離の縮まり方を見るに、文字通り殺すんじゃなく「俺が老いや病気で死んだら死ぬ前にお前を殺してお前を置いていくことはしない」みたいな殺し文句!!??って解釈をしたらめっちゃ萌えた。1926の楊はツンデレ。ラストの袁と楊の間に割って入ったことによって攻撃されてしまって重症を負ったリリィに「お前は俺が殺すといったはずだ。なぜ反応しない・・・」とめちゃくちゃ動揺するシーンがまた良いんだわ。リリィちゃんの一生残らない傷を綺麗だって言ってくれてるのよき。限定版特典やら特典SSやらで、傷が治った後も心配して今までそんなことしなかったのに付き添いしてくるのようやく感情が人間らしくなってきたね。優しくていい。

BADは楊のやさしさに気づけなかったリリィ。袁に攻撃されたリリィをかばって楊が斬られて、その後リリィも殺されるみたいなEDなんだけど、かばった楊が死んだ後にずっと楊の本心が分からなくて悩んでいたリリィが「この人はわたしを愛していたのだ」と死ぬ間際に気づくのが切ないシーンだった。このBADは胃の締め付けがいい。

 

④二コラ・フランチェスカ

ストーリーといちゃラブのバランスのいいルートだった。

鍵の乙女の条件の話そういえばこのルートでは明かされてなかったな・・・と懐かしく感じたりした。鍵の乙女の役割的にはリリィはダンテと結ばれといけないのに、二コラとくっついてしまった、とテオに責められ悩む二人の描写が大変良かった。この√を読む前は、以前からダンテがリリィに好意を持っているこをなんとなく察していたなら、間接的にNTRってことぉ?となったが、好意以上を持っている可能性があるから早めに自分のほうを意識させるとARIAで語っており腑に落ちた記憶。

モケショップは脳みそが終わってるのでこのままBADだと3Pでもするのかと思った。(下品)「ファルツォーネの血が流れているから君を好きになった訳じゃない」とお互いの好意を確認する教会の雨のシーン好き。

ヴィスコンティの館が実は生きてた楊が燃やして街の人間を殺しまくったり、無印では登場しなかったフランチェスカ邸が出てきたりと展開に起伏がありサクサク進められた。バルトロとの厨房に入れてくれるかバトルは読んでて微笑ましい。

この√のテオはどちらかというと「妹を悪いマフィアから解放してあげたい」みたいな感じだったな。ダンテ√のテオと違うところは接触してきた時点で殺意マシマシだったけど、二コラ√は一般人としてリリィに接触し、本人と会話し善意に触れ、感情の変化を明確に感じる描写が良かった。二コラに撃たれ、最期にリリィに手を伸ばそうとするシーンは切ない。リリィがテオと兄弟というのを知らないのも余計。上の方で話したが、この√はラストの楊とのバトルでCGがあったので、二コラカッケー!と思いながら読んでた。

何気に聖遺物を取り出したのはこの√だけだったね。破壊したと見せかけてちゃっかり隠し持ってるの策士。

BADはまぁ予想していた範囲だった。死んでいくリリィを涙ながらに抱きしめる必死な二コラのCGがすごく良かった。BAD後は残りの仕事片づけたらリリィの元へ行く、みたいなこと言ってたけど、なんだかんだ引き留められてズルズルとリリィの影を背負って生きてそうに1票。

 

⑤ギルバート・レッドフォード

途中まで大団円エンドと同じなので二コラ以外死人がいないのが平和。

ギルバート√は六凰会とのいざこざ、シカゴマフィア&ユージーン絡みの過去に決着を付ける話がうまく絡んで面白かった。シカゴ行きを目指していたからこそ、ユージーンという過去の辛い思い出とはいつかは対峙しなければいけないし、ケリをつけて気兼ねなくシカゴに進出して終わり!はスッキリした終わり方だったかなと。

ギルバートはなんだかんだで一番頼もしさが違っていたな。リリィと一緒に風呂入るCGがあったんだけど、風呂入った後ベッドに直行して朝チュンしてるあたり、全年齢の限界に挑んでいる感じの描写がニヤニヤさせてもらった。

リリィの首にかみついてくる袁にキレるギルバートさんのシーン好き。

終盤の袁相手に「俺の今後に賭けて今は見逃してくれ」と交渉するシーンはコミュ力おばけすぎて面白かった。命の綱渡りすぎんよ〜

血縁だからとしつこく食い下がってるユージーンに対して毅然とした態度を取っていたギルバートは良かった。ユージーンはゴミクズ。でもギルバートは自身から殺すといったことはしていなくて、そこはまだ多少は情が残ってたのかなと。限定版のSSのユージーンのはほんとこいつの頭ほんとw救いようがないwwと思いながら読んだ。逆にポジティブ思考なのか?

 

BADはダンテBADと同じくらいグギギ・・・・となった。

BADはなかなか一緒の時間を取れなくて、シカゴに一緒に行くという答えをなかなか伝えられずやきもきするリリィが海でギルバートに不満をぶつけるシーンが本当に良くてな・・・・・それだけリリィの記憶喪失エンドは前述のシーンでシカゴに行くと伝えて相思相愛だった二人を考えると心が痛かった。最初袁と一緒に共倒れエンドかと思ったからびっくりした。「夢かリリィか、俺はリリィを取り夢を捨てた」とシカゴ行きを諦めてリリィに付き添う道を選んだギルバートのCGの顔がまた切ない。本編よりBAD好き侍になってしまった。

 

2.ALTERNATIVA(大団円エンドアフター)

アドベンドカレンダーを模したシステムで1月~8月はそれぞれの月に起こったほのぼのとした短編集で、8月~12月が本編みたいな感じ。

大団円エンドではディレットーレ(アンリ)は行方不明。無印の大団円のその後ででシカゴに仮面をつけたディレットーレに酷似した男がいる・・・・というところで終わっていた。その謎の男がブルローネを壊しに来る・・・という話。

この√ではセバスティアーノ・ガリエ(本物)の得体の知れない感じが読んでいて不気味でよかった。結局この√ではガリエが結局何がしたかったのか・・・・ってのがあまり分からず自死してしまったので。CV興津和幸良い。

※この√をプレイ中はガリエの目的は良くわからなかったけど、アンリ√をプレイして思ったのが、「わたしの親友のアンリを復讐させ殺したブルローネがどういう場所か興味が湧いた。でもブルローネマフィアたちに殺されるのは美しくないし気に食わないから自分で死ぬ」という解釈をした。基本狂っているし理解しようとするのが間違いかもだが。

人を殺すごとにレコードを送ったり、シェイクスピアの戯曲になぞらえた殺人をしたり、なかなかバリエーション豊かな殺し方していたのは良かった。エグい描写見てると、18禁で作り直してくれてもいいのよと思っちゃう。CGが欲しくなる。レコードのヒントを基にブルローネマフィア達が推理していく描写も良かった。

各キャラの分岐も用意されており、個別とは違った、「お互いに好意を持っていてもうすぐ恋人になりそうだけどまだ恋人未満」なリリィと各キャラの終わり方はそれはそれで読んでて楽しめた。リリィを意識させてやるぜってアプローチするギルのエンドが一番好きかな。

 

3.HENRI(アンリエンド後日談)

お前・・・ほんと・・・・・ほんと・・・もう・・・・幸せになれ!!!!って感じ(語彙力)

無印のアンリエンドは短かった上に隠しエンドみたいな感じで主要キャラほど一緒にいるシーンも少なく、姉の復讐云々の話は良かったけど・・・前回の記事で触れたが、自分が説得しなければこの人は死んでしまう!と(実際本来の大団円エンドやほかの個別アフターではほとんどアンリは死んでいる)過去の罪を許し一緒にブルローネを離れる道を選ぶリリィの行動力すごいと思うけどそこまでする?と思っていたんだが、フランスの教会で孤児たちと平和に暮らす毎日、アンリと一緒に暮らすようになり優しさに触れていく描写で次第にリリィとアンリの絡みが好きになっていた。本編中でも言われていたが、ニコラにアンリへの好意を指摘されるシーンで、あの時住んでた教会も捨ててついて行こうとした時迷わなかった?という問いに対して、「迷いはなかった。なりふり構わず付いて行きたかった。生きていて欲しかったから」みたいなことを言ってて無印での行動に説得力を持たせたのは個人的にポイント高い。

そして突如子供たちが皆殺しにされたシーンが驚いた。ガリエ許さん。ディレットーレはガリエを基にしてるのは草。どうりで喋り方がおかしいわけだわ。そしてフランスの教会を捨て過去に決着をつけるために因縁の地・ブルローネに舞い戻る・・・

序盤のアンリの復讐心と「クロエはファルツォーネに殺された」という過去の発言に対して、二コラが「”血筋を重んじる”ファルツォーネのカポ・シルヴィオが”完全な他人”であるアンリをファルツォーネの遠縁に出す意味」とダンテに話してたシーンはとても好きなシーン。酷い扱いされてたんじゃないか?それで復讐心が大きくなったのでは?と気付いてあげる二コラが良かった。アンリとの会話も多かったし。クロエがシルヴィオと死ぬ間際に一緒にいたという新事実。なので死因もおそらく気の許した相手に突き落とされたと予想されててなるほどなと。そりゃ息子と妻を殺しかけた相手を許さないか・・・シルヴィオの話も描いてくれんかな。気になる。

リリィ自身は序盤~中盤でもうアンリへの恋心を自覚しているが(ニコラに指摘されて好意を意識した感じ)なかなか両想いにならず、アンリ自身は一時的に「ブルローネマフィアに害をなすガリエを殺す」という理由で一時的に見逃してもらってるだけで、ガリエの件が片付いたら偽札事件の責任を問われマフィアたちに殺される、と本人は思っている。いつかリリィと一緒にいる生活も終わると考えていたため、気を許してはいけない、子供達が殺されたことによる不安と刷り込みで好意を持っているだけだ、とか言ってアンリ自身も好意はある描写あるけど拒否するすれ違いシーンが多くて読んでいて悲しかった。

なんでこの√が好きなのかなと思ったら、なんかこの2人歳離れてるのもあるけど圧倒的背徳感なのよな。ほかのキャラクターは攻略対象→リリィという構図で(二コラはやや違うけど)、アンリ√は恋しいけど相手が応えてくれないというリリィ側の片想い描写が多いのが性癖ど真ん中ストレートだったんだと思う。

ブルローネマフィアたちに疲れてるアンリを癒してはどうだ?と助言され決心してアンリにキスをしに行くシーンがあるんだけど、寸止めで止められる上に「そういうのは本当に好きな男にするべきだ」と塩対応してリリィを泣かせるシーンは読んでいて辛かった。しかもその夜アンリも嫌われるように酷いこと言ったのとギリギリまでリリィに応えようと思っていた、という独白がありそれも悲しい。おめぇよぉ・・・・リリィ自身も「相手にされないのは分かっているから。諦めなくては」と考えているモノローグがあってプレイしてて真面目すぎてうるっと来てしまった。作中でアンリが気遣って、「何か欲しいものがあれば言ってくれ」というセリフに対して、「わたしが欲しいものを言ったらあなたを困らせてしまうから。あなたがくれるものに私の欲しいものは入っていない」と言うリリィがもう可哀相すぎて・・・・。

そういうすれ違いが続いたが、リリィが恋心を諦める代わりに最期にデートをしたいとデートを申し出る。最期に思い出が欲しいという独白に泣けてきますよ…その後アンリから好きだと告白され、お互いに好意を確かめ合うベッドシーンは間違いなく本編イチニヤニヤした。やっぱ苦難を乗り換えて結ばれる展開は最高だぜ!デートシーンのCGコメントで「全てが解決したら死ぬと思っているから子供扱いしたり想いに応えなかったが、泣いているリリィを見るのが辛くて、自分が死んだ後悲しませるのを承知で受け入れた」って言っててうわぁあ…😭ってなった。

この√のリリィは泣いてるシーンがほんとに多いから読んでてほんとに切なくなる。

教国絡みでなる早で鍵の乙女の資格(=処女)を無くしたかったとはいえ、他の男に素直に抱かれるリリィを想像するのが嫌だと言ってくれたのは良かった。教国の思惑と二人のすれ違いがうまくかち合って結果的に両思い&結ばれたのでそこはナイスと思いたい。BADだと好きなくせに「アンリじゃ・・・だめ?」というリリィに拒否してくるしなお前!!このゲームで据え膳食わないのこの男だけやろ……聖堂の会合で、半年も孤児と一緒とはいえ、リリィと一緒にいたのに手を出してないことを全員に突っ込まれてたの笑っちゃった。

ガリエに、そんなに穢れた手で平和に暮らそうと思ってるんですか?姉の復讐にすべてをかけてきた貴方が、と姉・クロエの骨とリリィにを選べと言われクロエの骨(復讐への執着)を捨てるシーンはとても良かった。シンプルに死体をつなぎ合わせて新しいクロエを作ろうとしてるガリエはナチュラサイコパスなんだわ。

そしてラスト。最後までアンリのことだからリリィを置いて去って行ってしまうという疑念が消えなかったが無事に殺されずに一緒に暮らす道が選べたのは良かった。ありがとうダンテ…リリィがいてくれたことによって人生の大半を占めていた復讐心から解放されたアンリが読んでて本当に良かったねぇ・・となった。今まで辛い人生だったぶんリリィと幸せに暮らしてくれ。今までカップリング的にはダンリリが一番好きだったがここにきてアンリリが一番好きになった。

最終章のタイトルが「Lumière de l'aurore(フランス語で夜明けの光)」なの好き。復讐(夜)からの解放という意味で。

人心掌握に長けているからか、ブルローネに戻ってからの手際が読んでいて面白かった。ただでさえ嫌われているマフィアたちに交渉して調べて情報を共有、先を見越して行動、と本編でも誰か言っていたが、味方だとこんなに心強いんだなぁって。

ガリエに関しては大団円と同じくやべーやつという印象に変わりはないけど、復讐とかじゃなくて

美しいものがすき。復讐に駆られているアンリはとても美しい。親友でいることが楽しかった。けど今はいろいろなものが邪魔して美しくない。なので余計なものを削ぎ落としてあの頃の冷徹なアンリを取り戻す。っていうガリエの求めるアンリという人間の偶像を求めているんだなあって。(フィギュアとかを愛でる感覚?大事なおもちゃを奪われた気分的な?)

大団円の犯行理由よりかは分かりやすかったかなと。アンリのCGコメントは本編であまり出してなかった本音が垣間見えて、あふれだすリリィへの愛を感じて良かった。

★アンリBADについて

読んでて辛かった。この一言に尽きる。アンリは好意に応えてくれずガリエに攫われて薬で洗脳。リリィを半ば無理やり手篭めに。ガリエ側についてしまったアンリは持ち前の策士っぷりでブルローネマフィアたちを壊していく・・・・・各キャラの写真が一枚一枚消えていく演出しんどい。この√はリリィがアンリが好意を持っていないと(今まで出さないようにしてたのだから当然だけど)思ってて、拒否してるのがまたつらいのよな。両想いなのに永遠に気持ちの一方通行。つらすぎる。

CGを見れるギャラリーコーナーで各CGにキャラクターがコメントするってシステムがあるんだけど、リリィを襲ったCGで「いつもは理性で押さえつけてるが、箍が外れると何をするのかわからない。例えば君の全身に痕を付けたりとか」とか言っててあれがいわゆるリミッター解除状態なのか・・・と思った。このBADへの導入も、街でアンリとリリィがイチャイチャしていたのをガリエが見て、「こいつクロエを選ばなさそうだな」と思ったからで、ほんとにTRUEは紙一重で回避してたのだなと。

 

★総評

無印よりかなり楽しんで読むことができた。

特装版にはSS冊子とドラマCDが同封されており、キャラクターほぼ全員の後日談SSが同封されている。プレイする際は特装版を買うことをお勧めする。ギルバート√後のジャックとか楊√後の睿とかのSSが好き。今回は楊とアンリの株がかなり上がった。公式からSSいっぱい出てるし集めて読んでみるのもアリ。いや~楽しかった!アンリ√だけでもプレイして良かったと思う。

 

好きなキャラクター

アンリ>>>>楊>ダンテ>ギルバート>二コラ>オルロック

 

好きなシナリオ

アンリ>>>>楊>>二コラ≒ギルバート>オルロック>ダンテ

好きなカップリング

アンリ>>>>ダンテ≒楊>ギルバート>二コラ>オルロック

 

原画のRiRiさんの絵が素敵すぎて本編と一緒にVFB買っちゃったオタク。

ビーズログのほうがSSとかが載っているのでおススメだが、アートブックのほうにしか載ってない絵があったりした。結局どちらも買ってしまった。いやぁアンリさんのSS良かったっすわ。無限にニヤつかせていただいた。来年春に同じディレクター、原画、シナリオで「泡沫のユークロニア」というゲムをだすようで、そちらも世界観が良さげなので買う予定。楽しみ。ではまた。